生物多様性と漁業

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1. 生物多様性と漁業

海洋・沿岸資源保全への取り組み

エリトリアは,海洋・沿岸資源の保全にどのように取り組んでいるのですか?
エリトリアは,関連機関である海洋資源省を通じて,資源の持続可能な利用に取り組んでいます。過去20年間と独立国家としての歴史の半分を通じ,国家,地域,地球レベルでさまざまな取り組みが達成されました。国家として,地球温暖化問題に取り組み,海洋哺乳類・ウミガメ・マグロなど世界的に危機的状況にある移動性種の保護に絶え間なく取り組む姿勢を示してきました。*エリトリアは,生物の多様性に関する条約(CBD,1996年5月21日),移動性野生動物種の保全に関する条約(CMS,2005年2月1日),絶滅のおそれのある野生動植物の種の国際取引に関する条約(CITES,2005年3月31日)14 August, 1995),インド洋・東南アジアウミガメ覚書(IOSEA, 2006年2月1日),ジュゴン覚書(Dugongs, 2007年10月31日),国際捕鯨委員会(IWC, 2007年),気候変動枠組み条約(FCCC, 1995年4月24日)など,さまざまな覚書(MOU)の署名国です。同省は,CMS,PERSGA,IOSEA,IUCN,バードライフ・インターナショナルなど,数多くの国家的・地域的・国際的な協同や連携を築いてきました。さらに,エリトリアは海洋・沿岸資源の保全のために,FAO(国連食糧農業機関)とGEF(地球環境ファシリティ)から資金援助を受けています。
*批准(ratifiction)あるいは加入(accession)の年月日を示します。

国家としての能力構築: 海洋資源省は,その設立以来,環境保全,資源利用,海洋食品の安全性,衛生問題に関連するテーマで,省内および関連スタッフを対象にさまざまな研修を実施してきました。さまざまなコンサルタントによる現場研修,国内外のスタッフによる実務研修,エリトリアダイビングセンターによるダイビング研修,海外研修や学習ツアーなど,様々な研修が継続的に行われています。自国民で構成され率いられている研究チームやチームリーダーたちがあげた成果からも分かるように,結果は望ましいものとなっています。

同省は,その部局の人的能力,知識,データの強化に非常に成功しており,同省スタッフは,国家が将来的に目指すあらゆる海洋資源研究を継続する能力を有しています。定期的に教育訓練プログラムを実施する2つの部門があります。

1. ハルギゴ(Hergigo)水産研修
漁業に関する基礎的な知識を持つ地域の人々,寡婦,家族を養うための収入が少ない家庭など,社会的な問題によって不利な立場に置かれている人々に,漁網の作り方や修繕,漁船の乗り方や航海,水産食品の加工や保存,漁具や漁法など,基本的な漁業技術を教授しています。スクールには基本的なトレーニング教材やモデルが用意されており,通常,省内や他の関連活動の拠点からトレーナーを派遣しています。学校は主要な港町であるマッサワから車で20分というアクセスの良いハルギゴ村に位置しています。

2. 海洋科学技術大学(COMSAT)
アスマラ大学の海洋生物学・水産学部を継承した大学です。5つ以上の学科があり,全国から集まった学生が海洋生物学,養殖,食品科学,海洋工学の基本原理を学んでいます。2016年まで,1,500人を超える学生が,修了証書,卒業証書,学位を得て卒業しています。卒業生はそれぞれの専門分野に配属され,国家と海洋資源省が人材能力を維持する役割を果たしています。同校は,マッサワの南東端に位置しており,人材開発システムに必要な教育と実践の内容が備えられています。

一般への啓蒙活動
沿岸地域社会,学校,2つの紅海地域行政機関,海軍,海洋科学技術大学(COMSAT),全国エリトリア青年学生連合(NUEYS)は,省開設以来展開されている啓発プログラムの主要対象となっています。季刊広報紙,カレンダー,パンフレット,ポスター,その他の教材の多言語による制作・配布,地域や国のイベント,一般的な知識活動やスポーツ活動への参加はその一例です。また,近年,2015年に始まって,新聞はもちろん,国営ラジオ・テレビの番組でも定期的に記事や映像が放映されています。上記のような取り組みやその他の活動により,海洋資源の持続的開発や絶滅危惧種の保全の必要性について,全国的に意識が生まれ高まりました。結果として,海洋資源利用者の行動が徐々に変容しつつあるケースも存在します。

また,この啓蒙活動は,海岸清掃活動などのさまざまな活動によって,学校に通う子どもたちに幼少期から海洋や沿岸の危機を実感させ,これらの素晴らしい資源を守るために取り組んでもらうことを重要視しています。

エリトリアにおける海洋生物多様性の概観(概要)
一般的に,エリトリアの紅海は,マングローブ,海草,大型藻類,海鳥,ウミガメ,イルカ,クジラ,サンゴ礁,貝やナマコなどの無脊椎動物が良好な状態で見られる水域であると言えます。

ここ数年,エリトリアの海岸や島々が,手つかずの海岸や海域を含む生物多様性の世界的に重要な宝庫として重要であると,いくつかの要素から明らかになっています。また,新種の動植物の発見地でもあり,その中には現時点でエリトリアでしか見られないものもあるため,その海洋資源,特にサンゴ礁はユネスコ世界遺産への登録を強く主張できます。また,最近の様々な調査から,エリトリア紅海の海洋資源は,国や地域,そして世界にとって重要であり,積極的な保護と保全が必要であることが明らかになっています。

2.海洋生物

a- 魚類
一般に,エリトリアの紅海北部の本土沿岸地域と島々は,サンゴ礁の魚類が大半を占め,魚類資源が豊富です。種が同定されている魚類には,フエダイ,フエフキダイ,ハタ,ブダイ,ニザダイ,チョウチョウウオ,エンゼルフィッシュ,タカサゴ,アジ,アイゴ,イサキ,スズメダイ,ベラ,ヒメジ,フグ,エイ,その他がいます。これらの魚は,主に釣針と釣糸を使う伝統的な漁業活動の主要な対象です。また,国営の数艘の漁が,延縄漁具を使った資源開発に積極的に取り組んでいます。


フエダイ(Snapper)


フエフキダイ (Emperorfish)


ハタ (Grouper)


ブダイ (Parrotfish)


ニザダイ (Surgeon fish)


チョウチョウウオ (Butterfly fish)


エンジェルフィッシュ (Angelfish)


アジ (Jackfish)


イサキ (Grunts)


スズメダイ (Damselfish)


ベラ (Wrass)


ヒメジ (Goatfish)


ルリホシエイ (Blue spotted stingray)

b- サンゴ
サンゴ礁に関する先行研究と近年の調査の結果,沿岸と島嶼部の多くの場所でサンゴの多様性が高いことが分かりました。ミドリイシ属(Acropora),リュウキュウキッカサンゴ属(Echinopora),キクメイシ属(Favia/Favites),クサビライシ属(Fungia)ファンギア,アザミサンゴ属(Galaxea),ハナガササンゴ属(Goniopora),コモンサンゴ属(Montipora),ノウサンゴ属(Platygyra),ハマサンゴ属(Porites),ショウガサンゴ属(Stylophora),クダサンゴ属(Tubipora),ウミアザミ属(Xenia),ハナヤサイサンゴ属(Pocillopora)など少なくとも 38 属,220 種以上の生息が記録されています。

サンゴ礁分類学の世界的権威であるオーストラリアのチャーリー・ベロン博士と同行した3回の調査も含めて,100か所を超えるサンゴ礁で基底表面のサンプリングを行いました。エリトリアの固有種である新種のサンゴ5種を発見し,サンゴ種が追加されました。また,300を超える標本コレクションを用意しました。サンゴの平均被覆度は20~89%と推定され,国内外に報告されています。紅海全体ではサンゴ礁が途切れ途切れに存在する点を考慮すると,エリトリア海域のサンゴ礁に見られる特徴の1つとして,デッシー島とマドテ島に15キロメートルを超える健康状態の良いサンゴ礁が連なっていることがあげられます。


デッシー島とマドテ島のサンゴ礁

調査によると,エリトリアと紅海のサンゴは,現状でも海水温が高いため,水温上昇に耐性があります。2007年にアスマラのインターコンチネンタルホテルで行われたベロン博士の講演では,エリトリアの紅海のサンゴ礁が国,周辺地域,世界にとって重要であることが強調されました。博士は「20年後の世界の気候変動による影響が最も少ないのは,このサンゴ礁なのです」と述べています。


ミドリイシ属の一種(Acropora sp.)


ミドリイシ属の一種; 俗称テーブルサンゴ(Acropora sp.)


クサビライシ属の一種(Fungia sp.)


クサビライシ属の一種; 俗称マッシュルームサンゴ(Fungia sp.)


ノウサンゴ属の一種(Platygyra sp.)


サンゴ礁

c- 海藻類
紅海全域に生息する12種の海草は,エリトリア海域でも同様に生息しており,ウミジグサ(Halodule uninervis)とリュウキュウスガモ(Thalassia hemprichi)が中心です。後者は世界的に絶滅危惧種とされているウミガメとジュゴンの主要な餌となっています。海草の分布は一般に北から南へ向かって増加しますが,ノラ島やデヒル島などのダフラク諸島周辺や北部の本土海岸には大きな海草床が見られます。ハワキル湾周辺のゲレアロ地区,ハレナ,マルサファトゥマ,サラフィ・ティオ地区の湾,ベラアソーレ湾,アサブ湾はいずれも海草の優占度が高い場所です。現在,海草生育域の保全優先箇所を調査中です。


ウミジグサ(Narrowleaf seagrassとして知られる)


リュウキュウスガモ(Pacific turtlegrassとして知られる)


シオニラ/ボウアマモ(Noodle seagrassとして知られる)


ウミヒルモ(Paddle weed, Spoon grass or Dugong grassとして知られる)

d- 海藻類
エリトリアの紅海に沿って,紅藻,緑藻,褐藻としてよく知られる主要な3つのグループの代表種が普通に分布しています。特に,褐藻と紅藻は北部の硬い水底に多く生息し,南部では柔らかい水底に生息する肉厚の緑藻が優占種です。

エリトリア紅海に生息する200種を超える大型藻類には,ウミウチワ属(Padina),ホンダワラ属(Sargassum),ラッパモク属(Turbinaria),イワズタ属(Caulerpa),サボテングサ属(Halimeda),ウガノモク属(Cystoseira),オゴノリ属(Gracilaria)などが含まれます。しかし,エリトリア海域の大部分はまだ植物学者が訪れていないため,より多くの新種発見が期待できます。また,海洋資源省には,600点からなる分類標本集が設置されています。

エリトリア沿岸では,人間が海藻をそのまま食用にした記録はありませんが,マッサワ近郊のグルグッスム地区にある地元の飼料工場で,褐藻類が動物用飼料の成分として,特に養鶏場向けに,稀に利用されていることが確認されています。


ウミウチワ属の一種(Padina sp.)


ホンダワラ属の一種(Sargassum sp.)


ラッパモク属の一種(Turbinaria sp.)


サボテングサ属の一種(Halimeda sp. 日本で言う「ウミサボテン」)


イワズタ属の一種(Caulrepa sp. 日本で言う「ウミブドウ」)

e- マングローブ
紅海に生息する7種のマングローブのうち,エリトリア海域では3種が本土沿岸と多数の島に生息しています。優占種のヒルギダマシ(Avicennia marina),オオバヒルギ(Rhizophora mucronata),コヒルギ(Ceriops tagal)です。

エリトリアの巨大なマングローブの生息地は,魚やエビの産卵場所として機能しています。マングローブは,*渉禽類と海鳥の両方を含む渡り鳥の繁殖地,営巣地,越冬地として重要な役割を果たしています。調査によると,コシベニペリカン(Pelicanus refescens),アフリカクロサギ(Egretta gularis),オニアオサギ(Ardea goliath)などは,マングローブによく見られる鳥類です。
*水辺の地表を歩き回って採食する生態を持つ鳥

エリトリアの海岸線は,紅海に浮かぶ360の島々も含め,長さ1250km,範囲1万平方キロメートルに及び,多様な海洋生物,特にマングローブにとって紛れもない安息の地なのです。マングローブは沿岸の北から南まで見られ,北部のマルサス,マルサ・イブラヒムやマルサ・グルブなどの湾,港町マッサワ,ダフラク諸島のいくつかの島,最も近いシーク島で最もするマングローブが最も良好な状態で生息しています。ハワキル諸島のハレナやラサ,アンフィレ湾では生息地としてティオが筆頭にあげられます。さらに南下すると,べラアソーレやアサブ湾といったマングローブ地帯が広範囲に広がります。推計によると,我が国ののマングローブ植生面積は約70km²です。

ハルギゴ海岸で始まったマンザナル・マングローブ植林構想は,エリトリアの他の地域にも広がりました。それに伴い,ダフラク諸島で大規模な植林計画が再び開始されました。マングローブの利用に関する予備的な実験結果によると,マングローブは船やヤギの放牧に有用です。海洋資源省の研究試験で明らかになったように,マングローブの花は一般的な利用に加え,ミツバチを飼育して大量の蜂蜜を生産するための資源となる可能性があります。


ヒルギダマシ(Avicennia marina  Grey mangrove or White mangroveとして知られる)


ネッタイヒルギ(Rhizophora mucronata  Loop-root mangrove or red mangroveとして知られる)


コヒルギ(Ceriops tagal  Spurred mangrove or Indian mangroveとして知られる)

f- 塩性植物,その他の沿岸植物
一般に,エリトリアの海岸線と島々は,さまざまな種類の塩生植物と,草や木のような少数の非塩生植物から植生が形成されます。これらの植物は,島嶼部や,ティオ地域のような本土海岸の大部分を覆っていることが観察されます。よく見られるのは,ジゴブィルム属(Zygophylum) ,アツケシソウ属(Salicornia),トウダイグサ属(Euphorbia),マツナ属(Suaeda) などの植物です。

沿岸部の陸上には,生育が良好なアカシアの木(tortilisが優占種),河岸に生える低木,ankuaとドームヤシ(Hyphaene thebaica)が密集しており,ドームヤシはアサブ,特にメンカエカエ,アボの地域で多く見られます。


アツケシソウ属(Salicornia)


トウダイグサ属(Euphorbia)


マツナ属(Suaeda)


アカシア(Acasia)

g- ウミガメ
エリトリアには,世界の7種のウミガメのうち5種が生息しており,そのすべてが世界的に絶滅の危機に瀕しています。エリトリアの1,200kmを超える本土の海岸線は,大きな島や多数の小さな沖合の島とともに,5種のウミガメにとって重要な餌場と繁殖地を提供しており,アオウミガメ,タイマイ,ヒメウミガメの営巣地にもなっています。モジェイディ島とオーカン島は,毎年何千ものウミガメの営巣が行われている主要な場所です。概して,エリトリア紅海では,100を超える産卵地が営巣地域として確認されています。


アオウミガメ(Green Seaturtle)


タイマイ(Hawksbill seaturtle)


ヒメウミガメ(Oliver ridley searturtle)


アカウミガメ(Loggerhead seaturtle)


オサガメ(Leatherback seaturtle)

エリトリアで営巣することが知られている3種のウミガメのうち,最もよく見られるのはタイマイとアオウミガメです。しかし,2005年,ラス・タルマビーチにヒメウミガメが来て巣を作りました。これは紅海全域でこの種が初めて営巣した記録でした。

2007年から,ウミガメの移動パターンを研究するために,数匹のウミガメにエリトリア海洋資源省の所在地を記したチタン製のタグを付けてきました。現在までに約200匹のウミガメにタグが付けられました。一方で,1992年から2006年にかけては,産卵のために上陸した雌のウミガメからタグが回収されていますが,それらは主にオマーンとパキスタンでつけられたタグです。

エリトリアは,これの素晴らしい生物の保護と管理に取り組んでおり,「移動性野生動物種の保全に関する条約(CMS)」の支援のもと,「インド洋・東南アジアウミガメ保護覚書(MOU IOSEA)」に調印しています。この覚書では,ウミガメの管理と保全には,地域的協力が必要であるとされています。

また,ウミガメは,海洋保護区を保護し,将来の世代に長年保たれた遺産を残すべく保全する計画においても重要な位置を占めています。ウミガメの主要な生息地には,ダフラク群島やハワキル・ベイ諸島が含まれます。エリトリア紅海南部のファトゥマ島とウルビア島は,ウミガメの営巣活動が盛んな場所として10位以内に位置し,将来的には保護区域として明記し,然るべき規制をすることが可能です。


ウミガメの営巣地マップ(地図上では赤色で表示されています)


タイマイの営巣活動

いくつかの場所では,ウミガメは自給自足用の食用として違法に捕獲され,屠殺されています。また,エビや底生魚の産業化した底曳網漁も大きな脅威となっています。

h- 海洋哺乳類
ジュゴン:
エリトリア紅海にはジュゴン(Dugong/dugon)が1種のみ生息しています。ジュゴンは広く分布していますが,主な餌となる海草や大型海藻の群生地がある浅い大陸棚にはあまり生息していません。ジュゴンの生息地は,海草が豊富に生い茂る浅い湾域や,マングローブが湾の周囲を覆っている場所で確認されています。

鯨類:
イルカとクジラは,エリトリア海域で最も一般的な海洋哺乳類です。エリトリア海域の生物種リストは不完全であるものの,約16種の鯨類が確認されています。

マイルカ(Delphinus delphis),ハシナガイルカ(Stenella longirostris),バンドウイルカ/ハンドウイルカ
Tursiops truncatus),ウスイロイルカ(Sousa plumbea)がエリトリア海域で観察されており,短距離クルージングのボートと並んで泳ぐことがよくあります。クジラはあまり頻繁に見られませんが,沖合の深い海域では,ダフラク北東部やダフラクとブリ半島の間の水路付近で潮を吹いている姿が観察されることがあります。サロイタのような南の広い水域では,エビやオキアミが豊富なため,鯨類によく遭遇します。


クジラの出没海域(地図上の赤で示した部分)

*カツオクジラ(Balaenoptera edeni),マッコウクジラ(Physeter catodon),コビレゴンドウ(Globicephala macrorhynchus),オキゴンドウ/シャチモドキ(Pseudorca crassidens)などが沿岸部に座礁・漂着することがしばしば報告されています。


ジュゴン(Dugong)


ハシナガイルカ(Stenella longirostris)


ハンドウイルカ/バンドウイルカ(Tursiops truncatus


座礁したクジラ

i- 海鳥と*渉禽類
*水辺の地表を歩き回って採食する生態を持つ鳥

エリトリアの海岸や島々は,海鳥や渉禽類の多様性でよく知られています。エリトリアは亜熱帯地域にあり,渡り鳥や留鳥の集団に適した生息地が数多く存在するのです。海鳥や渉禽類の多くの種は,渡り鳥としての生活様式をとっています。その多くは,冬の前に温帯または北極圏の北半球から,より暖かい繁殖地を求めて熱帯や南半球に移動します。

確認されているのは78種の海鳥と渉禽類で,そのうち22種は主に夏に島で繁殖することが知られています。25種はネッタイチョウ,カツオドリ,カモメ,アジサシ,ウなどさまざまな科に属する完全な海鳥であり,残りの種はペリカン,ヘラサギ,サギ,フラミンゴ,カモ,チドリ,シギなど,一部または完全に海洋環境を利用する科に属します。さらに,エリトリアの島々では50種を超える陸鳥が確認されています。

これらの鳥類は国内,地域,国際的に重要であるため,現地調査とデータに基づき,モニタリング,保全,管理のための重要拠点が定められました。


コシベニペリカン(Pink backed pelican)


ベニヘラサギ(Spoonbill)


オニアオサギ(Goliath heron)


フラミンゴ(Flamingos)


カニチドリ(Crab plover)

j- 海洋無脊椎動物
漁業によって絶え間なく圧迫されているものの,ナマコは紅海全体や他の海の研究報告に比べれば,比較的に良好な状態にあります。地元では消費されないため,ナマコを利用した製品の大部分は輸出用です。ナマコの利用は,管理や規制に関する,また資源状況を把握していないことから生じる数多くの問題に直面しており,持続可能性を考慮しなければ,漁獲が危うくなりつつあります。

無脊椎動物には,環形動物,腔腸動物,軟体動物,棘皮動物,節足動物などがあり,また,紅海の環境的独自性に起因する固有種も存在します。タカラガイやソデボラなどは,それぞれお土産,香水用として高価値であるため,伝統的に採集され続けたことによって大きな影響を受けていますが,無脊椎動物全般が受ける影響は中程度です。しかし,産業化された底曳き網漁が,軟底に棲む無脊椎動物にとっても新たな脅威となっています。


ナマコ(Sea cucumber)


Cowrie(タカラガイ)


ソデボラ属 (Strombus)

免責事項:このページは、エリトリア紅海に存在する海洋・沿岸資源を概観し、これまでに行われた活動や現在行われている活動についてご案内するものです。この記事は、エリトリア国海洋資源省の資料や関連するプロジェクトの報告書を参照しています。記載されている数値は必ずしも正確なものではありませんので、詳細については、同省の関連部署や専門家にお問い合わせください。

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